2011年4月4日月曜日

スリーアズフォー&スーザン・チャンチオロ

こんにちは。エディター&スタイリストの近藤です。

さて、今回はNYブランドのなかでもかなりマニアック、常にアンダーグラウンドな感覚でファッションを表現する2ブランドを紹介したいと思います。



「threeASFOUR」は、元々「As Four」という名前で結成されたブランド。
イスラエルにパキスタン、タジキスタン、ドイツという国籍MIXの4人組みグループが、まるで音楽ユニットのような感覚でアヴァンギャルドな服を発表したのが始まりです。
その後1人が脱退。
現在3人で活動しているため、現在のブランド名に変更されました。


2000年代初期にモードに目覚めた人なら、代官山にあったセレクトショップ「バサラ」に足を運んだことがあるのではないでしょうか?
前衛的でコンセプチュアルなファッションが凝縮されたショップには、「As four」を代表する螺旋状のパンツ、それにサークルモチーフの超個性派バッグがディスプレイされていて、一度見たら忘れられない強烈なインパクトを放っていたものです。

2011-12AWコレクションは2011年2月11日、SAATCHI & SAATCHIで開催されました。


「意識とは、人類最大のミステリーのひとつである」
意識していてもしていなくても、私たちのまわりに存在する自然の周波数をラインで表現したグラフィカルなデザインが目をひきました。
弧を描く独創的なシルエットは、もはや彼らのシグネチャー。
NYだとSOHOにある「OAK」など、先鋭的なセレクトショップで取り扱いがあります。



「Susan Cianciolo」はエコが話題になる前の1995年から、オーガニック・リサイクル素材を利用するなど温もりのある超スローなファッションを提案してきました。
ひとつひとつがハンドクラフト的でアーティ、丁寧に作り込まれた刺繍やパッチワークにサスティナブルな魅力を感じます。


THE NATIONAL ARTS CLUBで開催されたニュー・コレクションでは、国籍も体型もさまざまなモデル達(そしてキッズも)が言葉を発しながら叫んだり笑ったり。
そんな演劇的要素を取り入れた独創的な演出が話題を呼びました。
商業ベースのブランドが大多数を占めるなか、このブランドはそんなことはおかまいなしにインディペンデントな感性を潔く貫いています。
なかには着物もあって、京都・西陣織の帯地メーカー、ひなやが以前テキスタイルを使用していたことを思い出しました。


服が個性的ならメイクも個性的。
広く開放されたオリジナリティ溢れるスーザン自身の感性は、ある意味真のファッション(既成概念にとらわれない、自由を謳歌する)を表現しているのかもしれません。


私が「Susan Cianciolo」を知ったのは、元々スーザンがキム・ゴードンが始めたばかりの頃の「X-girl」でアシスタントを経験し、その後「RUNコレクション」という自身のブランドをスタートした直後でした。

ハンドメイドの感覚をモードに持ち込んだスタイルはマルタン・マルジェラにも絶賛され、エッジがありながらもラブ&ピースなムードが漂う世界感は当時としては珍しく、ファッションの新しい形として業界に新風を吹き込んだものです。

トレンド傾向がより細分化している今、パーソナリティに寄った独自のスタイルが着る側にも改めて求められているのかもしれません。



ファッションエディター&スタイリスト
近藤陽子

Fashion editor & Stylist
Yoko Kondo

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