2011年11月24日木曜日

ワンダー武漢にワンダー万达

こんにちは、中国・武漢の山田将平です。

先日少しだけ日本に帰国していましたが、交渉ごとに強くなっている自分に気がつきました。
最近、あの武漢人の習性を読みつつ彼らの意表をつけるようになってきました。
武漢の文化レベルが上がってきたのか、自分が武漢に適応してきたのか、残念ながら後者だと思います。本当に残念です。

さて、急激に変わりつつあるこの秋の武漢。
次々とできているものがあります。
それは『万达广场』という商業施設です。
名前の前二文字は“ワンダー”と読みます(ちなみにwonderではなくwanda)。
ただでさえワンダーな武漢に、万达なるものができているのです。

万达の一例。二つの高層ビルはオフィス、後ろがマンション。

別角度より。とにかく規模は大きいのです。

マンションエリア付近より。

そんな最新施設の脇に羊肉屋台やらスコップを担いだ人やらがいるのはいかにも中国らしいというか、ある意味で微笑ましい光景。

万达の定番のスターバックス。
ちなみに施設の開業時に全てのテナントが開業しているとは限らないのも定番です。
スタバだけ絶賛準備中ということもしばしば。

万达そのものは大連を拠点に中国に全国展開している商業施設です。
と、思っていたのですが、広場という名の下に、商業施設、マンション、ホテル、オフィスを一体的に開発するエリアのブランドのようです。
細かい点は文末のURLからご覧頂きたいのですが、世間一般的にはやはり大規模商業施設あるいは大規模開発のブランドと言って差し支えないと思います。
誤解を恐れず言えば、日本のイオン系モールと総合ディベロッパーが一緒になったようなものでしょうか。
各地の大都市に相当な数があり、上海など沿岸都市にもあるようなので、見かけたことがある方もおられるかもしれません。


十分整っている内装。落ち度がなくて却っておもしろくないと言っては失礼でしょうか。

crocsの専門店。お願いだからホンモノであってほしい…

万千百貨の入り口。

我らがハニーズ。
質問しようと「日本人ですけど」と店員に話しかけると、「なんだい?採用に応募したいの?」と。
いやあ、ここであなたにいきなりそれは言いません。

武漢にやたらと多くある海外ブランドは万千百貨にも。
そしてこのあと、お店の人に写真を止められるのでした。
武漢もこのへんなかなか厳しいのです。
しかしめげずにスマートフォンで隠し撮りを続けていると、後をつけられている気がしたのでさすがに撤退。

武漢の万达は昨年の秋頃から次々に完成し、建設中のものも含めて既に6カ所あります。
ちなみに万达HPによると、6店という数は上海や北京も含めた全国の都市で最多です。
ホテル経営(5つ星に特化)にも乗り出しているようで、この夏武漢にやってきたウェスティンも万达経営のよう。(他都市ではヒルトン、ソフィテル、コンラッドなども)
どうやら最近偶然武漢に進出したわけではなく、武漢に集中投資しているようです。

尚、この辺りで白状しておきますと、このブログに万达が登場するのは初めてではありません。実は3度目です。
1度目はH&Mの回、2度目は前回の超巨大モール汉街です。
ちなみに過去2回は全く万达を意識して書いたものではありません。
ふつうに生活していても知らず知らず万达に心魅かれる機会は多いということなのです。
万达といっしょに武漢にやってきたもの、それはH&Mであり、ユニクロであり、無印良品であり、様々です。
「万达ができたぞ!」と喜んだことなどないのですが、実は結構お世話になっているという具合です。

ちなみにこの万达、百貨店部門もあり、一部の施設には『万千百貨』として入居しています。
とはいえ武漢の万千百貨にはほとんど海外ブランドが入っていなかったのですが、ここにもしっかり入っていました、我らがハニーズ。
店員曰く、「この百貨店に入っている海外ブランドは、ハニーズの他に一つか二つ」だそうです。
さすがハニーズ、このあたり現地への食い込み方が違います。頼もしい!
ただ武漢あたりでもあまりにもふつうにハニーズが存在するので、少し心配になって聞いてみました。
「お客さんはハニーズが日本のブランドってこと知ってる?」
「もちろん知ってる。日本のこの品質とかデザインとかを求めてお客さんが来てるわけだから。」とのこと。
いやあ、ホッとしました。以前から少し不安だったのです。

さて、話を戻します。
超巨大モール汉街は例外として、各地の万达は大体構成が似ています。
まず巨大な箱、そしてウォルマートなど大型スーパー、映画館、などなど。
内装も十分にきれいですし、スターバックス、ピザハット、マクドナルドなど有名チェーンが一通り入っているあたりはなんとなく日本の郊外型モールを連想させます。

番外編。前回の汉街万达。これも万达です。参考までに。

番外編2。この奥にスタバがあるのですが、例によって絶賛準備中。

番外編3

番外編4。右は願わくばホンモノであってほしいディズニーストア。


敢えて悪く言えばあまり個性はないということになるのですが、有名チェーンやきれいな施設自体がまだまだ少ない武漢ですので、個人的には歓迎です。
日本人や中国沿岸都市の人々にとっては見飽きたお店でも内陸では珍しいものはたくさんあります。
それらがドンとセットでやってくるわけですから、万达がもたらす武漢人への影響は決して小さくないのではないかと想像しています。
とりあえず物質的には沿岸都市と同じものが供給されるわけです。
私も日本の田舎の出身ですので、このあたりの意味はなんとなく感覚的にわかるのです。

またまた言葉は悪いですがこの万达、個人的には何も特別おもしろいわけではありません。
しかしH&Mの回にも書きましたが、「頻繁に行くわけではなくても、いざというときに買いに行ける安心感」はとても貴重です。
本来なら数ある中から自分が贔屓にするお店やブランドを探したいですし、日本や沿岸都市ならできるのでしょう。
しかし、ここは武漢、贅沢は言えません。
沿岸都市と同じようなお店が一応ある、それだけでも素晴らしいじゃないですか。
あるにはある、行けなくはないのです。
うまく書き表せないのですが、中国在住の方や日本の田舎の方など、このあたりの気持ちをなんとなくわかっていただける方がいればうれしいなあ。

大连万达集团 http://www.wanda.cn/
万达酒店 http://www.wandahotels.com/
万千百货 http://www.vans-china.com.cn/

3 件のコメント:

  1. おはようございます。


    下手な日本語で書かせていただいて大変失礼でした。


    私は武漢出身の冷という者で、昨年から日本に留学し、只今福岡におります。


    山田さんの書いた武漢についての文章を拝見していただきました。とても考えさせられました。


    まず武漢人としては、喜んで歓迎します。武漢という町は中国沿海部の都市のような開放され、外国人の多い町ではありませんが、しかし急激な発展と共に、もっと国際的になりたいと私たち武漢人は願います。


    確かに山田さんの記事に書いた通り、武漢も武漢人もまだまだ不足が沢山あります。もし失望させたら、申し訳ありません。実は武漢だけでなく、平均的にいうと、中国と日本のような先進国の格差は厳然と存在しています。私は日本にやって来てわずか二年足らずですが、そのことを確実に感じました。日本に感心させたこともいっぱいあります。とはいえ、中国人として、武漢人としての私は自分の故郷を良く建設してほしいです。日本に留学することもその理由の一つです。しかし、どうやら今の中国自体が問題がありますし、多くの国民もそれらの問題に気づいていないらしいです。それこそ私たち将来取り組むべき課題だと思います。そのため、ずっと頑張りたいと思います。最初の話から外れてすみません(笑)。


    ところで、山田さんの文章を見てとても面白くて懐かしい気がします。一方、恥ずかしいとも思いますが。故郷を後にし、日本に来て私は、常に武漢のことに関心を持っています。山田さんが武漢のこと好きになってほしいなと思いますが、やはり現在のままじゃ無理でしょうね。とりあえず、私も武漢人として武漢のことを少し宣伝したいと思います。


    山田さんはどのぐらい武漢に滞在したかとはっきり分かりませんが、武漢に関する文章は今年の四月から書いてきたでしょうね。そのうち、日本に戻ったり、黄石や成都に行ったこともあるようです。私も実は武漢を紹介したことがありませんから、どこから言ったらいいのでしょうか。ま~「武漢」という町から言わせていただきます。武漢はあんまり歴史上の有名な町ではありませんが、近代から目覚ましい発展が出来た工商業都市です。戦前は上海と天津と肩を並べたところです。原因は主に当時外国に開放した貿易港であり、租界も持つことと思われます(この三つの都市はほぼ同じ状況)。戦後数十年の間にも中国でかなりすごかった都市ですが、「改革開放」という政策が立った以来、段々立ち遅れなりつつあります。その原因は、今中国の発展方針を認識しなければ理解し得ません。今中国の発展方式は地方の意志に基づくのではなく、(中央)政府から各地に政策(発展方針)を指定し、地元の政府は「許された」範囲内しか動けません。各地に与える政策の違いから、各都市の発展レベルはずいぶん違います。しかも、殆ど仕方ないことです。そのため、武漢は以前に繁栄したにもかかわらず、開放的な政策が与えられないので、発展が沿海部の大都市より比較的に遅くなりました。


    山田さんの文章で、武漢と成都を比べたことがあります。それを読んで、とても納得できました。もともと(戦後)武漢と成都は特色は違い、地位はほぼ同じ都市です。今は成都の方が都市としての発展が上位なのかもしれません。武漢は、教育と工業が長所で、成都は観光産業と娯楽産業が発達します。特に、武漢における大手企業といったら、武漢人の中まず武漢鋼鉄と東風自動車と思い出す人が多いのではないでしょうか。武漢にある企業はそれだけでなく、他にも沢山ありますが、国営企業の割合がとても高いです。一方、成都の方が正反対とも言えるように、国営企業が少なくて外国から進出している企業の割合が明らかに高いです。成都はもっと開放した政策を持ち、外国企業は成都に行けば、武漢より一部の税金を省くことが出来るそうです。ですから、成都の方がもっと国際的な都市で、世界中の主要都市への飛行機の便が多いです。武漢から東京まで直行便もあるそうですが、便数が少ないそうです。福岡までの飛行機は一日ごとに一回、往復しますけれど、直行ではなく、上海を経由します。まあ、40分ぐらいしかかかりませんから、あんまり気にしない程度です。もう一つのところ、武漢の気候はとてもひどいです。武漢に一年以上いると分かると思います。夏はものすごく猛暑で、冬ともなると、厳寒です。しかも、春も秋も殆ど無く、夏の暑さがいくとすぐに冬の寒さが感じられる。成都の方が杭州と一緒に中国最も住みやすい大都市とされています。人口から見ると、成都は1400万以上の在住人口がありますね。


    武漢も1000万に近いですが、一時的に来た人がとても多いです。全国の主要都市を結ぶ鉄道の中心でもありますし。大学生の人数からして、百万人を超え、中国一だそうです。もちろんその中武漢地元の人も多いですが、全体的に見れば割合が低いです。地方ごとに受け入れる人数が一定だからです。武漢の大学は殆ど武昌に集中しており、「街道口」(武漢大学))から「光谷」(華中科術大学)までのところ武漢にいる大学生の最も多いところです。山田さんの文章に「光谷」が出てきましたが、郊外と見られたようです。しかし、光谷エリアは武漢の中心の一つとも言われています。建設された状況から見ると、納得できるはずでしょう。かえって市区というところに都市らしくない光景がたまに目にするでしょう。実は、それは歴史的に残存していた問題です。まず武漢の歴史は1926からとされますが、「武漢」になる前、既に漢口、武昌及び漢陽三つの街があり、もしかすると、外国によく知れるのは武漢というより漢口と武昌の方なのかもしれません。1926年のこの三つの町を合併して武漢が成立しました。そのため、もともと三つの町からできた武漢は、一つの中心は確定できず、複数があります。経済的な中心は漢口にありますが。教育、文化の中心は武昌にあります。漢陽には中心と言えるところはないですが、今の東風自動車をはじめ、多くの自動車関連企業が漢陽にあり、他にも数多い工場が漢陽にあります、工業の中心と考えても間違いないでしょうか。武漢で買い物はやはり漢口の方がいいと思います。山田さんはもう知っているかも知れませんが、商業施設というと、武漢には解放大道においての「武漢広場」エリアと建設大道においての「新世界百貨」を凌ぐものはないでしょう。後者の方は値段がちょっとアレですが、前の方は絶対お勧めです。世界随一のブランド品もありますし、手軽に買えるものもありますよ。「武漢国際広場」(「武漢広場」の隣)1階と2階は外国から輸入した有名なブランド品の売り場で、4階から普段に使うものです。重要なのは、買い物の環境や雰囲気など他のところとは比べ物ならない優れたということです。


    ちなみに、福岡もそうですよ。昔は「福岡」と「博多」二つの町なんですが、近代に合併し、今の福岡になりました。福岡の中心はどこにあるか、とはっきり分からないんです。天神エリアと博多駅付近ではどちらもお店がいっぱい集まってにぎやかで甲乙付けがたいです。


    下手な日本語で書き散らして失礼でした。最後に言いたいことは、武漢人ひいては中国人の民度です。この言葉自分の口から言いづらいですが、確かに良くないところをきちんと認めるべきだと思います。それも日本にきてから学んだ大切なことです。全ての武漢人(中国人)が悪いと言えないですが、やはり改善せねばならないところがいっぱいあります。マナーが悪いとか、モラルに欠けるとか、まさに山田さんの文章に書いた通りです。しかし、悲しいことはそうした問題は一人二人でいかなる努力をしても、簡単に済ませる問題ではありません。せめて将来、私は日本で勉強したものを生かして故郷の人々と共にそれらの問題をできるだけ克服しようと思っています。そして、国内にいる人々に真実の日本のあり方を伝えたい思い、中国本当の姿も日本の方々に伝えたいと思います。日本も中国も正しい方向へ進んでほしいです。山田さんも武漢の生活を楽しみにしてくださいね。今ちょっと難しいかも知れませんが(苦笑)、きっと少しずつよくなれるでしょうと私は信じています。

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  2. コメントありがとうございます。
    武漢人の方にも読んで頂けたようで大変光栄です。
    まず気候についてはおっしゃるとおりです。
    夏があれほど暑いのに、冬もこれほど寒い。
    民度よりも何よりも、気候が一番割に合いません。

    武漢については私もいろいろ勉強しています。
    生活はとても大変ですが、そのぶんユニクロ開店などはとてもうれしいですし、
    武漢の街の進歩も細かく感じられます。
    来年には長江を跨ぐ地下鉄も開業します。
    これが出来ると武漢はものすごく変わると思います。

    民度についてはやはりぜひ改善してほしいですね。
    これは私のためではなく、武漢のためにです。
    中国の他の大都市と比べて武漢人の文化水準はやはり高くないと感じています。
    これから武漢に住む外国人は増えると思いますが、外国人に嫌われることは他の都市との競争にも不利だと思います。
    またもしも「中国は素晴らしいが、武漢はダメだ。」と思われたら、これはとても残念なことです。

    武漢にもマナーやモラルが素晴らしい人もたくさんいます。
    彼らに出会うと私はとてもうれしくなりますし、尊敬します。
    確かに一人二人では解決できない問題ですが、解決のスタートも一人二人からだと思いますよ。
    私も「礼儀正しい日本人」というイメージを壊さないように、ふだんの生活で努力しています。
    (できるだけ"谢谢"と言うなど。中国人はあまり言いませんよね。)

    武漢人にもブログを読んで頂けてとてもうれしいです。
    時には怒らせてしまうような内容もあるかもしれませんが、どうか引き続き読んで頂ければうれしいです。
    谢谢您阅览!

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  3. 1楼的日语说得太好了.无比佩服.我也是08年去日本在福冈留学过两年的武汉人..离开武汉之后和你一样特别关注武汉的发展 但是没有像你这么有心宣传
    不过现在回国了 在上海准备就职
    如果你什么时候回过来刚好看到了这条 有空和我联系交流交个朋友
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    ブログ主へ さっき中国語で勝手に書き込んで大変失礼でした、いつも武漢の発展について記事することを感謝しております。

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