2011年4月30日土曜日

NYのセレクトショップ、OAKへ

こんにちは、エディター&スタイリストの近藤です。


さて、今回はNYのセレクトショップ「OAK」をご紹介したいと思います。
ここは「ALEXANDER WANG」に「WAYNE」、「MAX AZRIA」、「REBECCA MINKOFF」、それに以前ご紹介した「threeASFOUR」といったNYコレクションのブランドに加え、ファッションピープル御用達の「Acne」や「MM6」、また「SILENT BY DAMIR DOMA」や「KRIS VAN ASSCHE」といった気鋭ブランドも世界中から集めていて、NYのファッションピープルの間で注目を集めているショップです。


独特のセンスが光るハウスマガジンも発行していて常にアップカミングな気分を提供している……けれど、決してトレンドに踊らされることはない……そんなオリジナリティがこのショップの魅力、といったところでしょうか。
私の第一印象は、パティ・スミスやベルベット・アンダーグラウンドのニコがふらりと立ち寄るようなお店で(つまり、ガーリーよりマニッシュさが立っているということ)。


さてさて、ショップを訪れた時はちょうどNYコレクション期間中だったのですが、今着たいもの!ということでおすすめの春夏アイテムをピックアップしてもらいました。
こちらは「KLAVERS ENGELEN」というオランダのブランド。
墨絵のような繊細なタッチのプリントが儚くも、強い。
キモノスリーブといい、どこか禅的着想を得たような雰囲気ですね。



それから私が個人的にこれ!と思ったのが、「SALLY LAPOINTE」のこのドレス。
ディテールはクチュールライクなのですが、素材がボンディングで実はカジュアル。
ミニ丈もあって、そちらはもっとデイリーに活用できます。


また、「OAK」はセレクトだけでなくオリジナルブランドも持っています。
「OAK COLLECTION」というメインブランドがメンズ、ウィメンズ共にあり、さらには「A. OK」というヤングラインも揃えているのです。
特にB1Fのフロアはヤングラインを中心に、もっとプライスを抑えたカジュアルブランドが軒並み揃っていて、1Fがヨーロッパテイストならば、こちらはアメリカン・カジュアルが大集合、といったところ。



オリジナルの香水やキャンドルもあって、28ドルでお土産にもおすすめだそう。
飾るだけでもインテリアのセンスが格段にレベルアップしそうです。
オンラインでもショッピングできますが、NYに訪れた際はぜひ立ち寄ってみてください。
ワードローブ計画に役立つものから、旬のデザイナー探索まで、さまざまな楽しみ方が味わえます。



ファッションエディター&スタイリスト
近藤陽子

Fashion editor & Stylist
Yoko Kondo

●日々のトレンドチェックはこちらから!

2011年4月29日金曜日

香港で世界規模のランジェリー展開催

こんにちは、川原好恵です。
前回の香港ショッピングモールに続き、今回も香港ネタです。

3月30日と31日、香港コンヴェンション&エキシビションセンターにて
5回目となる「アンテルフィリエール・香港」「モードランジェリー2011」
開催されました。


「アンテルフィリエール・香港」はランジェリーとビーチウエアの素材、
「モードランジェリー2011」は製品を集めた見本市。
アジアを中心に国際色溢れる170ブランドが出展しました。
この見本市は、規模・内容共に世界一を誇る
ランジェリーとビーチウエアの見本市「パリ国際ランジェリー展」
「モードシティ」を主催するユーロヴェットによって、5年前に
スタートしました。



ご存知のように、今や欧米ブランドの生産拠点はアジアへとシフト。
香港は、ランジェリービジネスのハブとして、
重要なポジションとなっています。
欧米の大手SPAはアジア各地にちらばるサプライヤーとのミーティングを
香港で行うことも。
この見本市には約3500名が来場しましたが、
その中にはヴィクトリアズシークレット、アバクロンビー&フィッチ、
アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ、マークス&スペンサーと
いった世界のラジェリービジネスをリードする小売業の
購買責任者が含まれてます。
また、「より実質的な商談ができる」として、近年パリ展への出展を止め、
香港展へ出展して実績を上げている日本の素材メーカーもあります。

会期中は、VIP向けに2012/2013秋冬のトレンドセミナーも開催され、
大好評だった様子。


また、「スピリット・オブ・マッド・ウーマン」を
テーマにしたトレンドフォーラムでは、
香港理工大学の生徒とメーカーが共同で、
オリジナルの高級ランジェリーを創作。
VIPのためのカクテルパーティのショーで披露されました。




華やかさやトレンド発信力は、
さすがにパリには及ばないかもしれませんが、
「世界のファッションビジネスは香港で動いている」
それが現実なのかもしれませんね。

2011年4月27日水曜日

武漢の交通事情 路線バス編

こんにちは、中国・武漢の山田です。

前回まで、『桜』、『新天地』とご紹介してきました。
しかし、私に言わせれば、これらは、”化粧をした武漢”ということになります。
もちろんこれも武漢には違いないのですが、やはり街をより深く理解するためには”普段着”を知ることが不可欠ではないでしょうか。

そこで今回はまず武漢の路線バス事情についてご紹介します。
武漢では公共交通手段は依然として路線バスがメインです。
地下鉄(高架を走っていますが)も一路線だけあるにはありますが、今のところバスの比ではありません。(目下建設中の地下鉄については、また後日お話しします。)

さて、日本ではしばしば『中国人は並ぶことができない』と、冗談半分で言われます。
では、『中国人は並ぶことができない』のは、都市伝説なのでしょうか?
少なくとも武漢については、答えはNoです。真実です。

まず、写真1をご覧下さい。
写真1

私の住む場所から最寄りのバス停の乗車風景です。
人はそれほど多くないのですが、並んでいないのはわかります。
ただ、この程度の人数では並ばなくても問題ありませんし、日本でもあり得るかもしれません。

では次の写真2、3、4をご覧下さい。

写真2
写真3
写真4

人数が増えるとこのようになります。
日本のような時刻表はありませんから、バスの運転間隔が開くことも珍しくありません。(なぜか同一路線のバスが連なってくることも珍しくないのですが。)
当然バス待ちの人数は多くなり、ひとたびバスが来ると一斉にダッシュ、そしてこのような大混雑になります。

しかし、人の多い中国です。
我先に乗車しないと座席はおろか積み残されるのかもしれません。
では、写真5で実際の車内の様子をご覧下さい。(すみません、少しぼやけています。)
これは出発直前のバス車内です。
確かに座席は埋まっていますが、急いで乗らなければいけないほど混雑はしていません。
写真5


写真のケースとは別に、私も以前、人ごみを突き飛ばし突き飛ばされつつ乗車したことがあります。
そのときもやはり、車内には座席がまだまだたくさん残っていました。
また、入り口が大混雑しているので、全体として必要以上に乗車時間がかかります。
この点で武漢のバスは、経済学用語の『合成の誤謬*』のすばらしい実例だと感じています。

一方で、私は普段から武漢人のマナー、モラルには首を傾げつづけているのですが、バス乗車に関しては、彼らの心理が一部わかる気もします。

写真5をご覧下さい。
写真2、3、4、5は乗車時大混雑、車内は余裕というケースでしたが、写真6のようなケースにも日常的に遭遇します。
写真6

私も運転席横の料金箱にしがみついて乗ったことが何度もあります。
このような場合、積み残しも発生するので、「バスが来たら走る、そして我れ先に乗る」は、武漢人にとって鉄則なのかもしれません。

さらに、乗りたいバスがやってきても、それがバス停のどこに停まるかは、来てみないとわかりません。
数十メートルはある長いバス停の”どこか”にバスは停まります。
そして、そのバスは乗客を待ってくれません。
走るなど、乗車する意思を見せなければ発車してしまいます。(意思を見せても発車することもありますが。)
また、バス停が先着のバスで渋滞している場合、停車せずそのまま通過してしまうこともあります。
北京や上海などの地下鉄では、整列乗車が盛んに啓蒙されています。
しかし、武漢のバスはどこに停まるのかわかりませんから、啓蒙の仕様もないのかもしれません。

武漢人のマナー、モラルは中国の他都市と比較してもお世辞にも良いとは言えないのですが、バス乗車時の混乱は、武漢人だけでなくバスの運営側にも原因があるのでしょう。
ただし、おそらく運営側も武漢人なのですが。

少なくとも私にとって、このまちの交通は、”武漢を感じさせられる”大きな要素の一つです。
武漢の交通事情については、今後も引き続きお伝えしていきたいと思います。

*”合成の誤謬” Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E6%88%90%E3%81%AE%E8%AA%A4%E8%AC%AC

2011年4月22日金曜日

本当の香港パワーを実感できるショッピングモール

こんにちは、川原好恵です。

これまでヨーロッパの情報をお届けしてきましたが、
今回は、初めて訪れた香港についてのレポートです。
パリとロンドンへは15年ほど、取材を続けてきましたが、
実はアジアを訪れたことはほとんどなく、
今年初めて、香港へ行くことができました。

ブランドショップがひしめき合っている
ショッピングモールの多さと、その充実ぶりにビックリ!
バブルの頃は、日本人が列をなして買い物していた風景が
想像できます……。
ハーバーシティIfcモールパシフィックプレイスタイムズスクエアリーガーデン
ミラマーショッピンクセンターザ・ワン
ペニンシュラアーケード……と、おもなモールに足を運びましたが、
一番刺激的だったのは、
なんといっても、旺角(Mong kok)にあるランガムプレイス!
ほどほどの高級店と地元客に親しまれているお洒落なカジュアル店が混在。
新しいナチュラルコスメも発見できたりと収穫大。




なぜ多忙な中、わざわざ旺角まで行ったかというと、
私がコントリビューターを務めるWGSNの香港スタッフから
「H&Mの香港ブランチが作った新業態
"MONKI(モンキー)"をチェックするべし」
とアドバイスがあったのです。



正直、このMONKI自体は期待が大きかったぶん、内容薄で
肩すかしされた気分ですが、
この館自体の魅力と活気を体感できたから結果オーライ。
地下2階から地上13階まで、まんべんなく人が入っている。
そんなモール、日本では見たことありません。
他のモールに比べ、地元色が濃いぶん香港ならではのリサーチができます。
H&Mが、一等地にある他のモールではなく、ここに新業態の1号店を
オープンさせたのには、ちゃんと狙いがあるわけです。
やっぱりその土地の情報は、その土地の人に聞くのが鉄則と
マーケティングリサーチの初心を思い出させられました。

2011年4月21日木曜日

ジョン・ガリアーノの行く末はいかに?


こんにちは。エディター&スタイリストの近藤です。


“ジョン・ガリアーノ、「Dior」を解雇される”というビッグ・ニュースが最も話題となった今回のパリコレ。
まさに世界を駆け巡ったニュースなので、すでにご存知の方も多いと思います。
私が教鞭をとっているファッション専門学校の1年生でさえ、さすがにガリアーノの名前はわかったようで(アレキサンダー・マックイーンって誰?と言っていたのですが。。)。

最後となった「Dior」のショーに、彼自身の姿はありませんでした。
まずクリスチャン・ディオール社のCEO、シドニー・トレダノ氏の厳粛なスピーチに始まり、そしてそこにあったのは、これまで彼を支えてきた“小さな手”と呼ばれるアトリエのスタッフの姿だけ。
なかには涙ぐむスタッフもいて私も思わずもらい泣き……この歴史的なショーのフィナーレを共有した観客は、みな何ともやりきれない焦燥感と一抹の悲しみ、そしてひとつの時代が終わったことを直感的に感じたのではないでしょうか。


酒に酔った勢いの反ユダヤ的暴言で、これまでの栄光を一瞬にして失うことになってしまったガリアーノのラスト・コレクション。
(しかし、この模様の映像露出に関しては一部陰謀説もある)
それが皮肉にも、とても素晴らしかったのです。
エドワーディアンスタイルやパティ・スミスからインスパイアされた英国スタイルは、まさに彼らしいニュー・ロッククチュールを物語っていました。


「Dior」のショー会場となったロダン美術館は、ものすごい報道陣とファンの数でした。
そこに“王は去った”というプラカードを持った、毛皮を纏ったキリストさながらの男性の姿も。
『ル・モンド』紙のようにこの一連の騒動に関してノーコメントのところもあれば、イタリア版『VOGUE 』のフランカ・ソッツァーニ編集長や『パープル・ファッション』のオリヴィエ・ザームのように公然とガリアーノを擁護する発言もあり。
戸惑いを隠しきれないファッション業界ではあるものの、これまでの彼の天才的手腕に惚れ込んでいた人々も確かに存在していたわけで。


それからしばらくたち、最近になってまた衝撃的なニュースが流れました。
今度は、彼自身の名を冠したシグニチャー・ブランド「ジョン・ガリアーノ」からも身を引くことになってしまったと。
『デイリー・テレグラフ』のヒラリー・アレキサンダーも、即座にTwitterでそのことについてコメントしていました。


やはり、先般の差別発言でブランドイメージを著しく傷つけてしまったことが原因のようです。
ジョン・ガリアーノ社の株式91%はクリスチャン・ディオール社が所有しているので、これで彼は完全に決別されたことになります。
騒動の前から準備されていた3月のパリコレでは、ショー形式からプレゼンテーションに即効切り替えられ、限られた一部の業界関係者のみを招待するという厳粛ムード。
もちろん、ここにもガリアーノの姿はありませんでした。
現在、ガリアーノはアリゾナのリハビリ施設でアルコール依存症の治療に励んでいるそうですが。。
この先、彼はデザインをすることがあるのか否か……?


フランスではユダヤ人差別を含む個人の出自や宗教に基づいた侮辱行為は罪となるそうで、近々ガリアーノは裁判所に出廷する予定だそう。
そしてガリアーノが去ったいま、次なる候補デザイナーは誰か?という噂がまことしやかに囁かれています。
他にもセリーヌやクロエなど……同グループのLVMHが他にもデザイナー交代を画策しているという仮説もあり。
またしても、デザイナーの椅子をかけた人間模様に変化の兆しがあるのか?
今後の動向が気になるところです。


最後に、トレダノ氏の言葉を。
「Diorというメゾンの心は、目に見えなくとも鼓動し続けています。それは日々、時を数えることなく勤勉に働き、メゾン設立者であるムッシュ・ディオールの価値観や展望を維持する数々のチームとアトリエ、裁縫師や職人によって成り立っているのです。あなた方がこれから目にすることは、これらの誠実で勤勉な人々の、素晴らしく創造的で並外れた努力の賜物です」


ファッションエディター&スタイリスト
近藤陽子

Fashion editor & Stylist
Yoko Kondo

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2011年4月19日火曜日

武漢にもあった新天地

こんにちは、中国・武漢の山田です。

早速ですが、みなさんは上海の『新天地』をご存知でしょうか。
最近では、上海の必須観光ルートの一つになっているという、旧建築物を再開発した、レストランやバーが集まるエリアです。
外国人も多く訪れていると聞きますし、日本のみなさんの中にも訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。
私も観光で訪れたことがありますが、2006年と昔の話になります。

さて、先日武漢にいる数少ない日本人の方から「武漢にも新天地がある!」との情報を得ました。
このとき私の頭には真っ先に「そんなはずがない。」「中国は国内のものまでパクるのか?」という言葉が浮かびました。
驚くというよりほとんど信じていません。
しばしば上海の新天地のすばらしい評判を耳にするだけに余計です。


武漢天地の風景1

このブログでもお伝えしていきますが、武漢には「そんな上等なものがここにあるはずがない!」と思わせる要素はたくさんあるのです。
しかし半信半疑でネット上を調べてみると、『武漢天地』が見つかりました。
本当に上海の新天地と同じ系列のようです。(ただし、名称は『武漢天地』)

この時点でもまだ一部疑っていたのですが、早速現地に行って確かめてみることにしました。

悪路をバスに揺られて1時間強、『長江二橋』という大きな橋を越えた先に、高層マンションが林立するエリアが現れました。
近くでバスを降り、マンション群を抜けると武漢新天地はありました。
(※高層マンション群も同じデベロッパーによる一体的な開発なようです。)

煉瓦風の建物や整えられた歩道がある非常にきれいな(clean & beautiful)エリアです。
(同じきれいでも、武漢にはなかなかcleanがありません。)

例えが適切かはわかりませんが、物理的な外観から感じる雰囲気は日本の郊外型アウトレットモールに似たもの、人々の雰囲気はそれよりももう一段落ち着いたものを感じます。


武漢天地内のあるカフェの店内より

お店でいただいたケーキ20元
武漢にも新しく近代的な、あるいは巨大なショッピングモールはたくさんあります。
しかし、そこでは商品陳列、客、店員など様々ものから、良くも悪くも中国、武漢独特の雰囲気、匂いが醸し出されています。
この新天地にはそのような雰囲気や匂いはほとんどありませんでした。

私もまだまだ武漢のことは知らないことだらけですが、『武漢天地』が武漢の中では最も感度の高い消費エリアに属することは間違いないでしょう。
これは常々感じていることですが、内陸にも富裕層はたくさんいますし、高層マンション、高級車もあふれています。
つまり、金はあるし、物もいくらでもあります。

武漢天地の風景2


しかし、雰囲気や空気あるいはサービスを買えるところは多くありません。
その点で、武漢天地は感度の高い消費者にとっては貴重な場ですし、一方で、武漢にも感度の高い需要がある程度存在するということでしょう。

ただし、写真にもありますが、現地の人通りはそれほど多く感じませんでした。(撮影日は祝日三連休の中日)

日本ならば、まずまずの人出かもしれませんが、ここは各地で人が溢れている中国です。
富裕層に限っても、武漢人の感度がまだ追いついていないということかもしれません。

もちろん正確な答えはありませんし、私の感覚的な見解です。
なお、デベロッパーのサイトによると、上海、武漢の他に、大連、広州、重慶、広東省仏山にも新天地があるようです。

武漢天地周辺で建設中の高層マンション

このブログもまだ3回目です。
まだまだ武漢の真の姿をご紹介できていないのですが、今回は武漢の中でも特別に良いところを採り上げてしまいました。

そこで最後に一つだけご注意ください。
「武漢には上海と同じ新天地がある」のではなく、「武漢にも上海と同じ新天地のようなところ”も”ある」ということです。
実は武漢天地の中にも、痰を吐くおじさんや立ち食いしながら接客する店員がいたのは、ここだけの秘密です。
それを見て「ああ、やっぱりここは武漢だ」と、なぜか安心してしまいましたが。


武漢天地 http://www.wuhantiandi.com/home/tabid/39/language/zh-CN/Default.aspx
SHUI ONLAND(デベロッパー) http://www.shuionland.com/sol/tabid/111/Default.aspx

2011年4月15日金曜日

パリに行くなら、やはり北マレ?

こんにちは、川原好恵です。

2009年に「Merci」という新しいコンセプトの大型セレクトショップが
オープンして以来、パリ一番のホットなエリアとして注目されるように
なった北マレ地区。
最近は、その近辺に新しいブティックが続々とオープンし、
ますます活気づいています。

1年ぶりに訪れた「Merci」は、ファッションウイーク期間中と
いうこともあり、大賑わい。
この「Merci」は3月中旬、伊勢丹新宿店に期間限定店がオープンし、
初日は整理券が配布されたほどの大人気だったようです。
一時期、Saint-Honoreのセレクトショップ「Colette」を業界人が
訪れることを"Colette詣"と揶揄していたことがあるけれど、
今なら"Merci詣"といったところでしょうか。
とはいえ、この店のベースには人道的支援があるせいか、
全体に心地良い空気が漂っています。
まさに新世代のセレクトショップ、ぜひ1度は訪れて頂きたい店です。
「Merci」
111 Boulevard Beaumarchais 75003 Paris
tel.01.42.77.00.33






そして昨年、Merciの数件先にオープンしたのが、子供服店「BONTON」
コーナーごとの展開が上手く、壁面の使い方、商品の並べ方など、
大人も自分買いしてしまうほどの、心惹かれる演出。
子供用のヘアサロンには、思わず笑みがこぼれてしまいます。
「BONTON」
5, Boulevard des Filles du Calvaire 75003 Paris
tel.01.42.72.34.69






この「Merci」と「BONTON」の間の道、Rue du Pont aux Chouxや
Rue de Poitou近辺を久しぶりに歩くと、
ラウンジウエア(部屋着)を扱う「Venus et Judes」

ランジェリーショップ「Odile de Changy」など、

ライフスタイルを彩るアイテムを扱う、
新しいブティックが数々オープンしていました。

百貨店巡りでは感じ取れない、パリのムーブメントを、
北マレで体感してみてください。

2011年4月11日月曜日

中国人富裕層へのテストマーケティングはいかがですか

震災後、日本市場は難しいので、本格的に中国に参入したい、という企業が増えてきていると聞きます。
とはいえ、日本人が考えるほど、中国は一筋縄ではいきません。

アパレルに関して言えば、北部の中国人はとにかく大きいです。190センチの男性、180センチの女性がたくさんいます。香港でも、日系アパレルはサイズ展開が小さい、とよく言われますが、中国ではなおさらです。

また白物家電が売れている、と日本人は思っているようですが、中国人は日本製の機能追求型の白物家電にはなびきません。
まず色は赤か金。白物ではなく色物家電が好きなのです。

そして、日本人にとっては便利と感じる機能の多くは、家政婦を雇っている中流以上の中国人にとって、どうでもよい機能なのです。家政婦のために、高い家電を買う必要はない、というのが彼らの常識です。

というように、中国人と日本人は同じアジア人ではありますが、まったく異なる感性と考えを持っています。
この点についての認識が、日本人には欠けていると感じることがよくあります。

加えて、日本企業の場合、中国進出 → 中国法人の設立 → 中国メディアに広告、と直線的な行動に走りがちです。
さらには、テストマーケティングも行わず、中国人向けの商品企画なしで、乗り込もうとします。

中国内でそれなりの認知のある雑誌の場合、純広告で1ページ300万円相当の広告料金がかかります。しかも欧米系商品の広告が、これでもか、という具合に掲載されているため、毎月たくさんの雑誌に広告掲載できる予算を持っていない限り、目立つことはありません。
つまり、1回だけの300万円という広告予算は無駄になります。

有効なのはやはりクチコミです。
それもお金持ちの間で話題になることです。

当社は、中国人富裕層(30代中心)をターゲットにしたテストマーケティングの場を持っています。
コストを削減し、最大の効果を生むためにも、ぜひご利用ください。

2011年4月9日土曜日

武漢の桜

こんにちは、中国・武漢の山田です。

日本では桜が見頃を迎えていると聞いています。
実は、武漢も中国の中では桜の名所となっています。
今回はもともと別の話題を採り上げる予定だったのですが、せっかくなので武漢の桜とそこからうかがえる武漢人の様子をご紹介します。

多くの人が花見に訪れる武漢大学
武漢には、2つの桜の名所があります。
一つは前回の写真にもありました『武漢大学』、もう一つは『東湖桜花園』です。

まず、武漢大学には数百メートルにわたる立派な桜並木があります。
これは戦中に旧日本軍が植えたものだそうで、桜並木に並行する歴史的建造物(学生寮として現在も使用中)とともに見事な風景を作り出しています。

通常は、日本の大学と同じく誰でも大学構内に入ることができるのですが、桜の開花時期には入場料(10元)が必要です。
それでも驚くほど多くの人が桜見物に訪れています。
中国の大学生は基本的に大学構内で寮生活をしていますから、「いくら桜が綺麗でも、こう多くの人が来ては学生も気の毒だなぁ」などと余計な心配をしてしまいます。

次に、東湖桜花園です。
武漢には『東湖』という大きな湖があるのですが、そのほとりに東湖桜花園はあります。
東湖桜花園。奥は五重塔のレプリカ。

いつごろ開園したのかはわかりませんが、広大な敷地に咲く多くの桜に加え、日本庭園風の池、さらにはなぜか五重塔や鳥居のレプリカまであります。(なかなか忠実なレプリカです。よくある”パクり”という感じではありません。)

桜の本数ではこちらのほうが多そうで、またソメイヨシノ以外にも多くの種類の桜があります。
こちらも入場は有料で、しかも武漢の物価感覚では決して安くない(大人60元、学生・老人30元)のですが、それでも周辺道路が渋滞するほど多くの人が訪れます。

さて、その多くの見物客を観察していて気づくのがカメラです。
まず一眼レフを提げたおじさん。
これは、日本を訪れる中国人富裕層によって見慣れた光景かもしれません。

次に、高価なコンパクトカメラを手にする見た目は高校生くらいの若者。
いわゆる80后、90后(80年代、90年代生まれの一人っ子世代)と呼ばれる世代で、恐らく6つの財布(両親、祖父母)に買ってもらったのでしょう。
悔しいですが、私のカメラよりかなり高価なものを持っていました。
結婚記念の写真撮影をするカップル。
観光地などではよく見かける光景です。
その他、東湖桜花園では、桜と菜の花に囲まれて、タキシードとドレスを着た何組ものカップルが結婚写真を撮影していました。


少し話題は変わりますが、日本人のみなさんは桜から何を連想するでしょうか。

春、入学式、花見など様々かと思います。
では、中国人は桜から何を連想するのでしょうか。
意外にも『桜といえば日本の国花』と連想する人も少なくないようです。

桜になじみの深い我々日本人ですが、桜を見て日本の”国”を思い浮かべる人はどれだけいるでしょうか。
こちらでは中国人に何度か「桜はとても美しい、桜といえば日本の国花だね」と言われたことがあります。
最初は私へのお世辞だと思っていましたが、花見中に見知らぬ中国人同士が同じ台詞を口にしているのも耳にしました。
桜を見慣れた日本人としてハッとさせられた中国人の認識でした。

鳥居を意識した東湖桜花園の門。園内にも真っ赤な鳥居があります。
実は、武漢は昨年秋の尖閣諸島問題で反日デモが起こった都市です。
直接の被害はありませんでしたが、私にとっては武漢に来て早々、しかも日常の生活圏、徒歩圏で起こった大事件でした。

そのような街の人々が春には花見に大挙押し寄せる(日本軍が植えたもの、あるいは完全に日本を意識した公園であるにもかかわらずです。)のは、とても興味深い光景です。
もちろんすべての武漢人が反日的ではないですし、すべての花見客が桜から日本を連想するわけではないでしょう。
しかし、この桜と武漢人の関係は、”中国人の対日感情の本当のところ”を考える上では大きなヒントになるような気がしています。
同じく東湖桜花園。残念ながら撮影日には桜が散り始めていました。

最後に、先日の震災で被災された方々、またすべての日本の方々に、桜前線が希望と勇気をもたらすことを願っております。