2011年6月25日土曜日

いよいよ香港ファッションウィーク/春夏が開幕

こんにちは。エディター&スタイリストの近藤です。

さて、来月7月4日〜7日まで香港では春夏のファッション・ウィークが開催されます。
近年拡大が著しい中国マーケットにおいて、このフェアには世界各国のアパレル企業やバイヤーの来場数が年々増えてきており、より確かなビジネス商談の場として注目されています。
ちょうど1年前には過去最多である1,313の出展者が参加し、バイヤーにおいては23,272人が足を運んだそうです。

そこで前シーズン(2011年1月)私自身も訪れた同様のフェア&ワールドブティック香港(来月こちらは開催されません)を振り返ってみたいと思います。

まず驚いたのが、とにかく出展ブースの大きさ。
パリのトラノイやイタリアのピッティも大きな会場ですが、いやいや香港も負けてはいない。
しかも、香港のみならず中国本土、インド、マカオ、台湾といったアジア各国からエジプト、ギリシャ、レバノン、トルコなどさまざまな国が多種多少に混在しているのも興味深いところ。


日本からは経済産業省が推進する「tokyo eye」が参加。
こちらは近年パリやインド、上海でも日本ブランドの海外発信およびテストマーケティングを行っています。
今回はFUGAHUM、GUT'S DYNAMITE CABARETS、RIVORA、jieDa、sise、VANQUISなどの面々が登場。
体型や気候など地域に根ざした商品開発やリレーションシップなど、まだまだ課題はあるものの、ロシアやマレーシア、タイ、そして香港や台湾といった国のバイヤーからコンタクトを受けたブランドもあったようです。
あとCFDからも日本ブランド(jazzkatze、YUMA KOSHINOなど)が参加していました。
こちらの写真は、私もおすすめの「RIVORA(リヴォラ)」です。


またコレクション取材が主な私としては、大々的に開催されたHong Kong Fashion Extravaganzaが印象的でした。
日本からはKEITA MARUYAMAが参加し、冨永愛さんや山田優さんがランウェイを歩いて華を添えるという演出。
日本の四季の美しさを現代風にアレンジした作品が光っていました。


同じくHong Kong Fashion Extravaganzaに参加した各国デザイナーも紹介します。
韓国から参加したDoii Leeは、セント・マーチン出身でジョン・ガリアーノやアントニオ・マラスの元で経験を積んだ持ち主。
ガーリーなテキスタイルが得意なブランドです。


北京のAlex Wangは鋭いテーラリングとミニマル&クールなドレスを多く発表。
中国では現地セレブリティが彼の服をよく愛用しているそうです。


香港のBarney Chengは現地で最も成功したデザイナーの一人らしく、マギー・チャンやミッシェル・ヨーといった女優たちが顧客に名を連ねています。
このショーではゼ テンテンや陳 法拉といった芸能人もモデルとして参加していました。
ワールドブティック香港では黒をベースにしたクラシカルなクチュールを展開していたのですが、ショーではノマド的ゴージャス感を打ち出していた様子。


それから、次世代を担う若手デザイナーにも注目を。
アメリカの人気リアリティ番組『プロジェクトランウェイ』さながらのエンターテイメント性をもって開催されたのが、香港ヤングファッションデザイナーコンテスト。
そこで見事優勝したのが、こちらのCheng Yee Wah Eva。
“Fragments of the SKY”というテーマで、中国の伝統的なペーパーカッティングの手法を用いた3Dのような服が印象的でした。


『VOGUE china』のアンジェリカ編集長もお気に入りだったのが、同じくコンテストのparty+evening-wear groupでトップになったLi Tsz Lun Zoe。
クリムトへのオマージュを表現していて、ヌーディカラーにシフォンやオーガンジーで流れるような弧を描いていたり、プリーツでたっぷりボリュームをもたせたデザインコンシャスな作風がモード好きの心を掴んでいたようです。


それからコンテストとはまた別で、ユニークだったのがエジプトのSOUCHAというブランド。
エジプト国内に2店舗ショップがあるそうで、今後中国展開を見込んでの初参加。
中東諸国のセレブリティに顧客が多いとデザイナーの2人組み(喋ってみたらキュートなゲイカップルでした・笑)は豪語していましたが、、?
ほぼドレスばかりだったので東京では需要が難しそうですが、香港なら何とか?かもですね。



他にも数えきれないほどたくさんブランドがあり、新たな市場開拓や新人発掘など香港をベースにできそうなこと、発見が未知数にあります。
これから中国を視野にビジネス展開を考えたい、と思う方は一度このファッション・ウィークにおとずれてみるのもおすすめです。


●次回香港ファッション・ウィークの詳細はこちら

●ロンハーマン・リニューアルオープンパーティやヴィクトリア&アルバート博物館のYohji Yamamoto展など。
日々のトレンドチェックはこちらから。


ファッションエディター&スタイリスト
近藤陽子

Fashion editor & Stylist
Yoko Kondo
yokococo5118@gmail.com








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