2011年8月2日火曜日

最西端の大都市・成都

こんにちは、中国・武漢の山田将平です。
毎度旅行記のようで申し訳ないですが、今回も武漢の話ではありません。
武漢よりさらに内陸にある四川省・成都の話です。

ご存知の方もおられるかと思いますが、先日、全日本空輸が東京–成都間の直行便の運行を開始しました。
「よりによってなぜ成都?そんなに需要はあるのか?」
武漢でこのニュースを知った時、正直衝撃を受けました。

中国の内陸を知ったつもりになってしまっている私ですが、実は武漢のことしか知りません。
「成都はそんなにすごいのか?武漢を見て内陸を知った気になっていてはまずいのではないか?」
そう考え、実際に成都に行ってみることにしました。
成都駅切符売り場。撮影したのは日中ですが、深夜でも同じくらい人が溢れていました。

武漢から寝台列車に揺られること17時間、成都に到着です。
武漢から成都、重慶などさらに内陸への陸路は、三峡ダムなどの難所を迂回するため長い時間がかかります。
成都駅に到着すると、他の都市と同じく駅前独特の熱気に包まれていました。
例えば切符売り場、成都人もご多分に漏れず、やはり並ぶことはできないようです…。
やはり並べない成都の人たち。後方は並んでいるのに窓口近辺は割り込みが殺到。

しかし、一度駅前を離れると、至る所で武漢との違いを感じます。
武漢にはない本物の地下鉄(武漢の地下鉄は地上を走っています)に乗り、中心街らしきところまで行くと、なんとそこには、”秩序”がありました。
武漢にはない”秩序”です。

武漢とは異なり整然と整備されている成都中心部
こんなところに感動しなければならないのは武漢にいる者として悲しいですし、成都にも失礼なのですが、とにかく成都には武漢にない”秩序”があったのです。

「お前の言う秩序とは何なのか?」
これは私の文章力不足もあり、正直なかなか表現が難しいのですが、例えば、道路や歩道に穴が空いていない、ゴミも落ちていない、道の真ん中でバスが故障していない、訳もなく人が大声を出していないなど、様々な要素が複合的に醸し出す空気かと思います。

この違いはやはり実際に現地で感じて頂くしかないのですが、来て頂ければすぐに感じられることは保証します。

さて、ここからは”秩序のある成都”の各地を写真とともにご紹介します。

写真4 高級ブランド街1

写真5 高級ブランド街2

写真6 高級ブランド街3
写真4,5,6は、中心市街地の一角です。
世界中の高級ブランドの路面店が軒を連ねています。
ルイ・ヴィトン、ディオール、プラダ、グッチ、フェンディ、ティファニーなどなど。

あまりにも露骨に”集めている”印象も受けるのですが、ここはあくまで成都です。
集め方はともかくとして、内陸都市にこれだけ高級ブランドの需要、少なくとも需要の見込みがあるというだけでも興味深く感じます。
混雑する出入国管理局(携帯電話で撮影したので画像が乱れています)
写真7は偶然通りかかった出入国管理局です。
パスポートの申請なのでしょうか、とにかく大混雑です。
夏休みシーズンとはいえ、毎日これだけ多くの中国人が内陸・成都から海外へ出かけるようです。
写真8 観光地『錦里』1
写真9  観光地『錦里』2
一方で、写真8,9はとある観光地です。
写真では確認しづらく申し訳ないのですが、多くの外国人が訪れていました。
ちなみに、写真では中国人に見える人々も近づくと、実は韓国語や、英語(シンガポールor香港人?)を話したりしています。
成都空港の全日空広告

また、成都の観光といえばパンダですが、パンダ園でも入場者の多くは外国人でした。
成都から海外へ行く中国人、海外からやってくる観光客。
全日空が直行便(しかも午前成都発、午後成田発の中国向けダイヤ)を飛ばす理由もなんとなくわかってきます。
成都繁華街の中心にあるユニクロ

あっさり見つけてしまった繁華街にあるH&M

成都繁華街のイトーヨーカドー(1階にZARA、店内に無印良品もあり)。奥は伊勢丹。

さて、観光地だけでなく現地の人が楽しむ繁華街も見てきました。
「成都の繁華街にはイトーヨーカドーがある」ことは昨年のデモ報道で知っていたので、まずはそこへ。
イトーヨーカドーの品揃え、日本的な雰囲気は数ヶ月の武漢生活で疲れた私の心を癒してくれます。

一方で返り討ちにも遭いました。
武漢であれだけ待ち焦がれ、苦労してようやくたどり着いたH&M、ZARAに、いとも簡単に出会ってしまったのです。
ZARAに至っては、イトーヨーカドーにテナント入居しています。
さらには伊勢丹まで登場…。
武漢では手に入らないが、沿岸部や成都では簡単に手に入る日本ブランドのビール

店内の写真は止められてしまいましたが、イトーヨーカドーや伊勢丹に行けば、かなり日本に近い商品が手に入ります。
特に食品は、品揃え、品質ともに申し分ありません。(試食済み)
では、現地の日本人相手にビジネスをしているかといえば、成都は日本人が多い土地でもありません。
やはりメインの顧客は成都の中国人です。
中国の大都市の中で最西端、すなわち最も内陸にある成都で、日本と同様の商品が受け入れられているわけです。
以前、武漢でも日本の衣料ブランド・ハニーズが受け入れられているとご紹介しましたが、成都では衣料に限らず食品、日用品まで『日式』が受け入れられているのではないでしょうか。
おまけ・木登りするパンダ。
余談ですが、日本人団体客のおじさんが「おいパンダ、降りてこっちへ来い」と呼んでいると、
現地ガイドさんが「残念ですがここのパンダは日本語が通じません」と言っていました。

沿岸部でも都市によって、発展の度合い、雰囲気などは大きく異なります。
そして、当たり前ですが内陸も同じように、都市ごとに発展レベルや特徴が異なります。
目覚ましい発展を続ける内陸ですが、一方でこれらを一括りにしてはならないと今回痛感しました。
成都を少し見ただけで偉そうなことを言うのは恐縮ですが、中国内陸都市を観察される際は、ぜひ複数の都市を見て、『内陸』と『各都市』の二つを掴んで頂くことをお勧めします。

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