2011年7月29日金曜日

2012-2013秋冬 WGSN マクロトレンド

こんにちは、川原好恵です。

7月20〜22日に東京ビッグサイトで開催された「JFW-IFF」
このブログをご覧の方の中にも、
足を運ばれた方が多いのでしないでしょうか。
初日は台風の影響を受けたようですが、2日目、3日目と来場者数を伸ばし、
3日間で24,175人が来場したそうです。

私は22日の午後に行ってきました。
おもな目的は、WGSNアジアパシフィック担当コンテンツ・ディレクター
Angela Teo(アンジェラ・テオ)さんのセミナーを聞くことでした。

WGSNは、英国をベースとする会社で、ファッション、
ライフスタイル全般の最新情報と
2年先のトレンド分析をオンラインで提案しています。
正直、安いとはいえない契約料金ではありますが、
世界中で2600社、38,000人が利用。
クライアントにはアバクロ、H&M、ターゲットといった
ファッションチェーンから、
アルマーニ、ルイ・ヴィトン、ブルガリなどのラグジュアリーブランド、
トヨタ、ニッサン、サムソンなどの工業製品を取り扱う会社も含まれます。
実は私も2003年から、このWGSNの仕事を続けていて、
現在は年4回、オンシーズンの東京ファッションレポートを送っています。


今回、JFW-IFFで行われたセミナーのメインは
「2012-2013秋冬のマクロトレンド」です。
マクロトレンドとは、テクノロジー、アート、デザイン、映画、写真、
先取的な企業の取り組み、消費者マインドなどから、今後の市場に影響を
及ぼす事柄を3つのキーワードに沿って整理したもの。
クライアントは、このキーワードを、商品開発からマーケティング、
小売りまで幅広い分野に活用しているというわけです。

「1年半も先の動向なんて、本当にわかるの?」
そんな声も聞こえてきそうですが、このキーワードは、
日々世の中の動きを徹底リサーチしている世界中のエディター達が
ロンドンに集結し、集中ミーティングを経て作り上げたもの。
セミナーでは、そのキーワードを生み出すに至ったあらゆる事例を
具体的にあげながら解説されるため、説得力があります。
少なくとも私は、なんとなく頭の中にあることが整理され、
近々提案しなければならない某ショッピングセンターの
プロモーション案が思い浮かびました。

では、そのキーワードを紹介しましょう。

1.ハイパーカルチャー Hyperculture
世界の文化的遺産や複数の文化的起源をミックス、クラッシュ、
融合させて、オーセンティックであることを求めた時代の
次を行く。

2.ラディカル・ニュートラリティ Radical Neutrality
過激なまでに中立な立場を保つこと。ジェンダーの境界線に立ったり、
静かに抵抗したり、あえて何かを消し去ることでその存在を強調したり、
あえて画一に作り込む。

3.エコ・ヘドナズム Eco Hedonism
狩をしたり、植物を採ってきたりと生態系にまで立ち返るような行動が
インスピレーション源。エコをベースとした快楽主義。神話も好む。
自然にできた地下空間に都市を作るような大胆な構想を持つなど、
新しいラグジュアリーの方向性のひとつでもある。
(セミナーで配布されたレジュメから抜粋)

う〜ん、文字だけにすると伝わりにくいのですが、
豊富な画像、具体的な事例と共に見ると、今後の方向性が見えてくるのです。
その方向性を自らの業務にどのように活用するかは、受け取る側次第。
情報を一方的に受け取ることに慣れていると難しいかもしれませんが、
イマジネーションをフル活動させて、具現化していく過程は楽しいもの。
それこそがマクロトレンドの醍醐味なのです。
皆さんなら、どのように活用しますか?

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